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今日、ジェイコブん家いくね。

ブログの趣旨もジェイコブもまだ見えない。

Hands Of Gravity、ELEVEN FIRE CRACKERS

今月、ハイエイタスのブルーノート公演に行ってきました。
 
新譜「Hands of Gravity」の曲を中心に、ジャズのムードを意識したアレンジが素晴らしいライブでした。
 
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「Hands Of Gravity」はハイエイタスの5枚目のオリジナルアルバムです。
5枚目というと、エルレガーデンの活動休止前最後のアルバム「ELEVEN FIRE CRACKERS」が5枚目でした。
 
Hands〜が発売されたときは「ついにエルレの枚数に追いついたか」と感慨ひ浸ってしまいました。
 
ELEVENの発売が2006年、Handsが今年2016年でちょうど10年です。
 
この二枚、曲調はもちろん違いますが、持っているテーマも違うように感じます。
そこで、この機会に今一度、HandsとELEVENをじっくりと聴いてテーマを比べてみました。
 

■ 火

エルレの曲は初期の数曲を除き、全て細身武士が作詞作曲しています。
一方のハイエイタスは、最近の楽曲では他のメンバーも作曲に関わっていますが、作詞は細身武士が手がけています。
 
「ELEVEN FIRE CRACKERS」でまず思い浮かぶのは「火」という単語でしょう。タイトルトラックである「Fire Craker」の他にも、「Gunpowder Valentine」も火を想起しますし、「Salamander」は火の神様です。
 
「Fire Cracker」の歌詞には火に関する言葉は登場しません。きっと跳ねるようなリフの楽曲そのものが「爆竹」であると指しているのでしょう。
 
サビでは次の歌詞が歌われます。
 
To find it floating in my static dream
Just sing it
<僕のスタティックな夢に浮かぶそいつを見つけるために
ただ歌うんだ>
 
この歌詞を初めて読んだとき、激しい曲調とは裏腹に、「floating」や「static」といった柔らかい言葉に不思議な印象を受けました。
 
歌詞は意味深ですが、この「Sing it」はまさに「Fire Cracker」を歌うことを指していると思われます。
爆竹をどう使うかと言えば破裂させるしかないわけで、サビの意味は、《静的》なものを火で動かす、止まっている自分を何とかする、といったところではないでしょうか。
 
一方、「火」という単語はハイエイタスでもしばしば登場します。
4thアルバムは「Keeper Of The Flame」でした。
(1st収録の「The Flare」は炎ではなくレンズフレアのことだと思っています)
 
Handsでも火をタイトルに持つ曲が収録されています。M4「Bonfire」です。
 
サビの歌詞は次のようなものです。
 
The beat is rolling
I will swing around bonfire
<ビートが転がる
俺はかがり火の周りで揺れる>
 
サビの歌詞単体では若干わかりづらいですが、楽曲を通して聴くと、かがり火で円になって踊る情景が目に浮かびます。
「Fire Cracker」では爆竹を使って動かしていた自分が、「Bonfire」では自らダイナミックに(=動的に)動いています。
 
■ 丘の上の砦
ELEVENの楽曲のうち、火で動かされるものは他にもあります。
 
 
M4「Acropolice」のサビは次のように歌われます。
 
Before the surface dries out
Before the palace burns down
Before your world is overwhelmed
<地上が乾ききる前に
 宮殿が焼け落ちる前に
 君の世界が壊される前に>
 
タイトルは二行目の「palace」から取られているのでしょう。「Acropolice」は丘に築かれた神殿・砦を意味するようです。
歌詞のニュアンスとしては、君の大切な場所が奪われる前に行動するんだ、といったところでしょうか。
 
Handsには「Acropolice」と近い意味を持つ言葉が登場する曲があります。
 
 
M2「Clone」の次の歌詞です。
 
When I was clambling on the mountain
When I was sliding down the white cap
When I was confronting the fortress
Always singing you a song
<山を登るとき
白波を滑るとき
要塞へ立ち向かうとき
いつも君に歌ってた>
 
3行目の「fortress」は「acropolice」に近い言葉ですが、「Clone」では壊されるものではなく、自ら向かっていく場所になっています。
 
■ 雨
火の他にも、エルレとハイエイタスに共通してよく使われるのが「雨」です。
エルレの1stシングルには「Raindrops」が収録されていますし、ハイエイタスの1stアルバム1曲目は「Ghost In The Rain」です。
 
 
ELEVENのM3「Space Sonic」のサビの歌詞は次のようになっています。
 
'Cause I found the way to live with that
I'm not going anywhere
I thought you'd only make me weak
That's wrong
I knew it all and you knew it all
That it's never gonna work
To wait for someone who could stop this rain
It just rains
<そいつと生きていく術を見つけたから
僕はどこへも行かないんだ
君だけが僕の弱さだと思ってたけど
違っていたみたい
僕はよく判っていたし、君もそうだった
この雨を止める人を待っても仕方ないってこと
雨はただ降るんだ>
 
主人公は誰かが雨を止めてくれるものだと考えていましたが、それは無駄なんだと悟るストーリーになっています。
 
Handsの「雨」といえばM6「Radio」です。
 
I've been walking in the rain
Standing in the pain
Acting like a sane because I give it away
<僕は雨の中を歩いてきた
痛みに耐えてきた
もうどうでもいいからマトモなふりをしてるんだ>
 
こちらもサビの歌詞です。
Space〜では立ち止まって雨を止ませてくれる人を待っていましたが、「Radio」では雨の中を歩いています。また、Spaceは「Insane <マトモじゃない>」という言葉で始まるのに対し、「Acting like a sane <マトモなふりをしている>」という対比も印象的です。
この対比から、SpaceとRadioの主人公は同じことを考えながらも、別の行動を取っているような印象を持ちます。
 
 
■ 静的と動的
久々にELEVENをじっくりと聴いてぼんやりと考えたことは以上のようなことでした。
 
つまり、ELEVENは静止と動作への羨望をテーマに、Handsは動作をテーマにしているのではないか、ということです。
 
Fire Crackerの歌詞を借りれば、ELEVENはスタティックを、Handsはダイナミックを主軸に据えているように思います。
 
浮かんだイメージを説明しようとしたので、文章にすると少々恣意的な感じも否めません。
ELEVEN収録の「Alternative Plan」はエルレの古き良きアクティブな歌詞ですし、「Gunpowder Valentine」は(「Now I want to be out here」という歌詞はあるものの)ライブの勢いがそのまま歌に込められています。
 
しかしながら、僕と同じようなことを感じていた人もいるのではないでしょうか。
 
「静的と動的」という言葉は、活動を休止しているエルレと、8年目を迎えて今なお精力的に活動するハイエイタスにそのまま当てはまります。
 
願わくば、エルレを動かす爆竹が破裂し、Supernovaで始まるライブがもう一度見たいものです。

 

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