今日、ジェイコブん家いくね。

ブログの趣旨もジェイコブもまだ見えない。

エルレ不在の、この10年

エルレの再始動が発表された。

活動休止から10年。

俺は今年で30歳だから、人生の約三分の一は彼らの復活を待っている時間だった。

 

10年は長い。長いが、じれったくはなかった。この10年間、大学生をやったり社会人になったり、俺にも色んな出来事があったのだ。でも何よりもこの10年に彩りを与えてくれたのは、やはり細美さんの音楽だった。

 

the HIATUS。あのバンドがスタートした時、俺はCDは1枚しか出さないものだと思っていた。すぐにエルレに戻ると思っていたのだ。HIATUSというバンド名も、小休止というようなニュアンスに捉えていた。だから最初のツアーのチケットが取れなかった時は二度とHIATUSは見られないと思ったし、続くGhost In The Rainツアーのチケットが当たった時は歓喜した。

 

俺の安直な予想に反してHIATUSの活動は続き、2枚目のアルバムを出した。楽曲はダークなエネルギーに満ち満ちていて、The IvyのPVを初めて見た時に泣いたことを覚えている。孤独感で心が抉られるようだった。細美さんの髪は長く、顔を覆っていた。活動休止前のエルレに漂っていた重たい空気が思い出された。そういえば、2枚目のアルバムが出る前、サマソニでHIATUSを見た時、彼らはサウンドチェックでInsomniaの前身となる曲を演奏していた。歌詞はまだ無く、サビ部分で「Save me」と叫ぶのみだった。「僕を助けて」と連呼する細美さんの姿を見て、胸がざわついた。しかし何処かギラギラしていて、何かに食らいつくような、闘争心をたぎらせているような、そんな雰囲気が格好良かった。

 

3枚目のHIATUSはまるで違った。歪んだギターではなくアコースティックが中心となり、光と色と遊び心が詰まっていた。カラッとした風が吹き抜け、全ての楽曲が物語の一編になっていた。そんな音楽を作り出した彼らを、俺はNHKホールで見た。大勢のストリングスや管楽器、他にもマニピュレータが彼らを囲んでいた。ステージは笑顔に溢れていたし、客席も同じだった。

 

それからの年月は、彼らの旅に同行しているような心持ちだった。見たことのない景色がたくさんあった。

 

震災があって、たくさんのバンドが繋がっていくのを見た。

4枚目のアルバムが出て、武道館公演で音楽と手話の共演を見た。

細美さんが新しいバンド、MONOEYESを始めて、気仙沼のイオンの駐車場で開催されるフェスに足を運んだ。

5枚目のアルバムが出て、生まれて初めてのブルーノートでHIATUSのライブを見た。

そうだ、それから細美が絶賛していたカンボジアにも旅行で行った。

 

10年。色々なことがあった。

HIATUSとMONOEYESの音楽にはたくさんの思い出をもらった。それに、この10年間もエルレガーデンは聴き続けていた。喋れもしない英語の歌詞をたくさん覚えた。

エルレの再開は、間違いなく俺の人生の節目だ。次の10年もきっといい思い出がきっと作れると信じてる。

でもまずは、8月のライブのチケットが取れますように。